| 井上伝(いのうえ・でん) ものがたり |
1788(天明8)年、筑後国御井郡久留米通外町で生まれた 井上伝 により久留米絣は考案された。
ある時、伝は白い模様のようになっている自分の着古した着物をを解き、糸のあちこちが白くなっているのに気付いた。
そして、白い糸のところどころを堅く縛って、そこだけ染料が染みこまないようにして染めた糸で、布を織りる事を思いついた。何度も失敗を繰り返し、紺地に白い斑点が模様のように浮き出した 久留米かすり を織り出しました。
伝の墓は久留米市寺町の徳雲寺にあります。
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| 久留米かすり 製造工程 |
工程は三十に及び、3ヶ月かかる。
特徴である絣模様は、デザインに応じて経糸と緯糸の白い模様部分を糸でしっかり括って、藍で染め、この糸を織る。
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| 1.柄作り(がらつくり) |
絣のデザインをイメージしながら、図案を起こす。 |
| 2.絵紙(えがみ) |
起こした図案に合わせて経緯(たてよこ)の配分数を決め、その寸法を経は羽数(はかず)、緯は行数(いきすう)で記入する。 |
| 3.経尺つくり(たてじゃくづくり) |
絵紙に基づいたものさしを作る。模様に合わせてそれぞれの尺を作る。 |
| 4.緯尺つくり(よこじゃくつくり) |
絵糸巾に合わせて竹尺を作る。一パターンの柄を竹尺に写し取ったものさしを作る。 |
| 5.下絵(したえ) |
絵紙に合わせて緯の縮み具合を考慮しながら絣模様に書き直す。 |
| 6.絵糸書き(えいとがき) |
下絵を絵台にのせて、一模様づつ織り巾に合わせて糸を張っていき、絵にしたがって緯糸の絣になる部分に墨付けする。 |
| 7.経はえ(たてはえ) |
柄模様に合わせて絣糸と地糸の糸数を割り出して、大枠に巻き取る。 |
| 8.緯はえ(ぬきはえ) |
柄模様一つ一つの緯糸の長さを決める。 |
| 9.糸たき(いとたき) |
苛性ソーダ水を入れた水で煮沸する。 |
| 10.晒し(さらし) |
糸を漂白する。 |
| 11.糊付け(のりづけ) |
薄い麩糊(ふのり)をつけ、天日干しする。 |
| 12.手くびり |
経糸に経尺をあてながら、くびる。 |
| 13.藍建(あいだて) |
1週間から10日かけて発酵(藍建)させる。 |
| 14.藍染(あいぞめ) |
くびった糸を染色する。染めた糸枷(いとかせ)は、その都度よく絞り、たたく。 |
| 15.水洗(すいせん) |
2時間くらい水につけて、藍染の時についた不純物と余分なアクを抜く。 |
| 16.絣解き(かすりとき) |
くびった部分を解く。 |
| 17.水洗・漂白(すいせん・ひょうはく) |
一昼夜水につける。 |
| 18.糊付け・乾燥(のりつけ・かんそう) |
緯糸に薄糊をつけて天日に干し、乾燥させる。 |
| 19.経割(たてわり) |
経糸を柄模様に合わせながら束ねる。 |
| 20.糊付け・乾燥(のりつけ・かんそう) |
生麩糊(しょうふのり)をつけて乾燥させます。 |
| 21.割り込み・筬通し(わりこみ・おさとおし) |
絵紙で割り出した糸数にしたがって、一羽(ひとは)に通していく。 |
| 22.経巻(たてまき) |
経糸を巻き取る。 |
| 23.綜絖通し(そうこうとおし) |
巻箱に巻き取った糸を、筬羽から一羽(2本)ずつはずし、上下に分かれた綜絖(ヘルド)に1本ずつ分けて糸を通す。 |
| 24.機仕掛・筬通し(はたしかけ・おさとおし) |
綜絖及び筬に通した糸を手織りに備えて手ばたに仕掛ける。 |
| 25.緯割(ぬきわり) |
絵糸を取り除き、糸篠(20本単位)に割り、長く伸ばしていく。 |
| 26.枠上げ(わくあげ) |
緯糸を緯取枠(ぬきとりわく)に一本ずつ巻き取る。 |
| 27.管巻(くだまき) |
緯取枠から杼(ひ)に入れる竹管に巻き取る。 |
| 28.手織り(ており) |
杼で緯糸を通し、経糸の柄模様に緯糸を合わせる。さらに筬を手前の方に力強くトントンと打ち込む、この作業を繰り返しながら、丹念に織っていく。 |
| 29.湯のし・乾燥(ゆのし・かんそう) |
できあがった織物を湯通しして、竿にかけて日陰干しする。 |
| 30.整反(せいたん) |
織物を尺台にのせ、はさみなどでふし等を切り取ります。さらに、巾や仕上がりを調べながら所定の長さに製反します。 |